そば粉だけについて
そばは、そば粉だけでできているとは限りません。
日々食べられているそばの多くは、つなぎとして小麦粉が使われています。
「十割」と書かれていても、その意味を気にせず食べていることもあります。
十割とは、そば粉だけでできているということ。
それを、そのまま名前にしました。
そば粉だけ。
そば粉と水だけでまとめ、日常に置けるかたちに仕上げています。
食塩も使っていません。
なぜ、そばに小麦粉が使われてきたのか
そばに小麦粉が使われているのには、理由があります。
そば粉だけでは、生地がまとまりにくく、切れやすいという性質があります。
小麦粉を加えることで、粘りが生まれ、麺として扱いやすくなります。
弾力が出て、しっかりとした食感になります。
保存の面でも意味があります。
湿度の変化を受けやすいそば粉に対して、小麦粉が水分を調整し、状態を保つ役割を持っていました。
水を均等に回し、生地をまとめる作業も、そば粉だけでは難しいものです。
小麦粉は、そばを扱うための知恵として使われてきました。
それでも、そば粉だけでつくる理由
その上で、そば粉だけでつくっています。
まとまりにくさや、扱いにくさもあります。
けれど、その状態でしか出てこない味があります。
噛んだときの感触や、口の中に残る甘み。
食べ終えたあとに残る感じも違います。
製法について
そば粉だけで、このかたちに仕上げることは、簡単なことではありません。
まとまりにくく、切れやすい性質があるため、安定して仕上げるのが難しいとされています。
このそばは、難しさを前提にしたつくり方で仕上げています。
そば粉だけで成立させるための工夫が重ねられています。
その結果として、しっかりとした食感と、そばの甘みが残ります。
ふたつの「そば粉だけ」
同じ「そば粉だけ」でも、つくりによって仕上がりは変わります。
外皮を取り除いた芯粉だけを使ったものと、韃靼そば粉を加えたもの。
軽く、すっきりとしたものと、少しだけ苦味があり、奥行きのあるもの。
シン・トトノイ(芯粉十割)
外皮を取り除いた芯粉だけを使った、白い十割そばです。
軽く、すっきりとした口当たり。
噛むと、ほどよいコシがあります。
ダッタン・トトノイ(韃靼そば粉入り)
韃靼そば粉を加えた十割そばです。
少しだけ苦味があり、その奥に甘みが残ります。
食べ方について
ゆでて、つけ汁につけて食べる。
そば粉だけの味は、この食べ方でよく分かります。
少しだけ変えるなら、つけ汁にオリーブオイルやごま油を少量加えます。
味の輪郭が少し変わります。
食塩を使っていないので、そば湯もそのまま楽しめます。