ミツオシエ

ミツオシエ

蜂蜜を手に入れる方法は、巣箱で蜂を飼うことだけではありません。
野生の蜂の巣を探して、蜜を採る方法もあります。
アフリカには、その巣探しを人と一緒に行う野鳥がいます。
ミツオシエという鳥で、蜜蝋や蜂の幼虫を食べます。
鳥は鳴き声を上げながら木から木へ飛び、蜂の巣のある方向を人に知らせます。

巣は、木の高い場所や狭い隙間にあることが多く、人には見つけにくいものです。
鳥は巣の場所を知っていても、蜂に守られた巣を自分で開けて、蜜蝋を取り出すのは困難です。
人は煙で蜂を落ち着かせ、巣を切り開いて蜜を取ります。
鳥は、そのあとに残された蜜蝋や幼虫を食べます。
蜂蜜は人が、蜜蝋などは鳥が受け取る分け方です。

この関係は、1588年にモザンビークを訪れた宣教師が書き残しています。

鳥から人に呼びかけるだけでなく、人から鳥を呼ぶこともあります。
モザンビークのヤオの人々は、鳥を呼ぶときに、巻き舌の音のあとに短くうなる「ブルルル・フム」という声を使います。
この声を実際に鳥が聞き分けているのかを確かめるため、2016年に、録音を使った実験が行われました。

蜂蜜を探して歩く人たちと一緒に、森の中で録音を再生し、鳥が案内に来るかを調べました。
再生したのは、「ブルルル・フム」の録音と、ヤオの人々が発した別の言葉の録音、別の種類の鳥の鳴き声の録音です。
「ブルルル・フム」を再生したときは、それ以外の音のときに比べて、鳥に案内される確率が約2倍になりました。
巣を見つけるところまで行けた確率は、3倍以上になりました。

タンザニアのハザの人々は、同じ目的で、旋律のある口笛を使います。
2023年の研究では、モザンビークとタンザニアの両方で、録音を再生して、鳥が案内を始めるかを調べました。
再生したのは、ハザの口笛、ヤオの「ブルルル・フム」、そして蜂蜜ハンターが自分の名前を叫ぶ声です。
タンザニアの鳥は、ハザの口笛によく反応し、ヤオの声にはあまり反応しませんでした。
モザンビークの鳥は、反対でした。
地元の呼び声のときは、よその呼び声や名前を叫ぶ声に比べて、タンザニアでは3倍以上、モザンビークでは約2倍の確率で案内が始まっています。

呼び声の音そのものは、決まったものではありません。
土地ごとに人が使ってきた声を、その土地の鳥が覚えて、反応すると考えられています。

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