棚に並ぶ蜂蜜の多くは、
光を通す琥珀色をしています。
濁りがなく、沈殿もない。
私の中では、それが蜂蜜の姿でした。
透明であれば、
何も起きていないように見えます。
けれど、寒い地域では
蜂蜜は普通に固まり、
見た目は変わります。
ヨーロッパでは、
固まることを前提に扱います。
結晶を細かく整えて、クリーム状にし、
最初からそのかたちで出荷します。
一方で、
透明な状態を保とうとする考え方もあります。
見た目が変わらないことは、
不安を生みにくい。
透明である蜂蜜は、
美しくも見えます。
その姿を保ちたい気持ちは、
私の中にもあります。
透明は安心そのものというより、
不安を感じにくいかたちなのかもしれません。
それもまた、
ひとつの考え方の中で
選ばれたかたちのひとつだと感じます。