規格が決まる前
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マヌカハニーには現在、UMFやMGOといった数値の表示があります。
一定の成分量を満たすことを示す基準です。
これらの規格が整ったのは比較的最近のことです。
UMFという規格が生まれたのが1990年代後半、MGOの基準が広まったのが2000年代後半です。
それ以前にも、マヌカの蜜は採れていました。
19世紀にミツバチがニュージーランドに持ち込まれた時点から、養蜂は始まっています。
ただ、当時のマヌカハニーは市場で高く扱われていませんでした。
味が強く、扱いにくい。
入植者からは「スクラブ・ハニー(雑木林の蜜)」と呼ばれ、他の蜂蜜より低く扱われていました。
一方で、マヌカの木そのものは、ずっと土地の中で扱われてきました。
マヌカはニュージーランドに自生する植物です。
マオリの人々が葉や樹皮を道具や生活用品として用いてきた木です。
蜂蜜になる前から、土地の人々に近い植物でした。
土地で蜂蜜を扱う人たちのあいだには、マヌカの蜜は他の蜂蜜と何かが違う、という言い伝えのようなものがあったとされています。
市場では低く扱われていながら、現場には別の手触りがあった、という状態でした。
1981年、ワイカト大学の研究者がこの話を耳にします。
確かめるために成分の分析が始まりました。
マヌカハニーには他の蜂蜜と異なる成分があることが報告されます。
ここから数値による分類が始まりました。
物そのものは変わっていません。
蜂が蜜を集める動きも、花の咲き方も、採蜜の工程も、大きく変わったわけではありません。
変わったのは、それを測る物差しと、市場での位置です。
規格は、自然の側にあるものではなく、人の側にあります。
何をどう測るかが決まると、それまで測られなかったものが扱える対象になります。
マヌカハニーが市場で扱われ始めたのは、規格ができたあとのことです。