自然に等級はない

自然に等級はない

同じ海、同じ季節でも魚は揃いません。
農産物も、蜂蜜も、毎年同じ顔ではありません。
それでも市場は、共有できる基準を必要とします。

私は魚屋の家に生まれ、市場や飲食の現場を経て、いまは自社ブランドの商品を企画し、販売しています。
自然をそのまま差し出すことはできません。
揺らぎを受け止めながら、一定の目安を示す。
作るということは、そういう営みです。

マヌカハニーの数値も、ロットごとの検査も、すべてはそのための営みです。
数字や分類は、揃わない自然を市場で扱うために設けられました。
自然に等級があるわけではなく、取引するために目安が必要なだけです。

この場所では、商品を誇張することも、誰かを否定することもありません。
自然と市場のあいだにある構造を、できるだけ静かに言葉にしていきたいと思っています。
読んだあとに、少しだけ食べ方が変わる。
少しだけ選び方が変わる。
大きな主張ではなく、小さな視点の提示として、続けていければと考えています。

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