海を越える蜂蜜

海を越える蜂蜜

ニュージーランドで採れた蜂蜜が日本に届くまでには、船でおよそ数週間かかります。
南半球から北半球へ運ぶ以上、途中で必ず赤道付近を通ります。
その距離と時間は、手元に届いた商品のいくつかの部分に表れています。

まず、容器です。
現地で作られるマヌカハニーには、プラスチックのボトルが多く使われます。
軽いぶん輸送のコストを抑えられますし、容器そのものの価格も低く済みます。
色のついた、中身が見えない容器もよく見かけます。
マヌカハニーは等級やロットによって色が変わるため、透明だとその違いが目に入ります。
色のついた容器は、その差が見えないぶん、不要な心配を持たせにくいのだと思います。

次に、輸送中の温度です。
コンテナに温度計を入れて測った記録を見る機会がありました。
コンテナ内の空気と、蜂蜜のカートンのすぐそばと、二か所で測ったものです。
ある航海では、港を出てから日本に着くまで、およそ11日。
コンテナ内の空気は、高いときで30℃近くまで上がっていました。

ただ、同じコンテナの中でも、蜂蜜のそばで測った温度は、もっとなだらかでした。
外の空気が30℃に跳ねても、蜂蜜そのものの温度は急には動かず、ゆっくりとしか変わっていきません。
蜂蜜は熱の伝わりが遅いので、周囲が上下しても、それがそのまま中身に及ぶわけではないのです。
まとまった量で運ばれるほど、外の熱が中心に届くまでには時間がかかります。
船が赤道の上で止まるわけではないことも、影響が限られる理由のひとつだと思います。

蜂蜜は、出荷される前に現地で成分が測定されます。
等級を示す数値も、マヌカ由来であることの確認も、その時点のものです。
熱の伝わりが遅いとはいえ、数週間の航海を経ていることに変わりはありません。
現地で測った状態と、日本に届いた状態が、完全に同じとは限らないのです。
だとすれば、届いたあとにもう一度確かめてみることには、意味があります。

現地でできる確認と、届いてからできる確認は、別のものです。

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