働き蜂の一生
Share
巣箱の中にいる働き蜂は、すべてメスです。
卵から成虫になるまでおよそ3週間かかり、成虫になってからの寿命は、活動期であればひと月ほどしかありません。
その短い間に、働き蜂の仕事は何度か変わっていきます。
生まれて最初の仕事は、巣房の掃除です。
自分が出てきた巣房や、まわりの巣房をきれいにします。
数日経つと、幼虫の世話に移ります。
体内でつくられる分泌物を幼虫に与え、育てる役割です。
さらに日が経つと、蝋を分泌して巣房をつくったり、外から運ばれた花蜜を受け取って濃縮したりする仕事に変わります。
巣に貯えられる蜜は、この受け渡しと濃縮を経てできていきます。
この間、働き蜂は巣の内側にいます。
巣に出入りする蜂を見張る、門番の時期もあります。
そして成虫になって3週間ほど経つと、外に出て花蜜や花粉を集めるようになります。
一生の後半を、採餌に使うことになります。
外を飛び回るうちに羽は擦り切れ、消耗していきます。
外勤に出てから死ぬまでの期間は、そう長くありません。
ただ、このひと月ほどという寿命は、活動期に生まれた蜂の話です。
秋の終わりに生まれた蜂は、外勤にはほとんど出ず、体に養分を蓄えて冬を越します。
この蜂たちは数ヶ月生きて、春になってからコロニーの立ち上がりを支えます。
同じ働き蜂でも、生まれた季節によって、生き方も寿命も変わります。
どの仕事をいつ担うかを、一匹一匹が選んでいるわけではありません。
羽化からの日数と、その時々の巣の必要に応じて、役割が移っていきます。
働き蜂が集め、濃縮した蜜は、巣に貯えられます。
一匹の蜂の一生はひと月ほどですが、蜜はそれよりも長く巣に残ります。
採蜜されれば、瓶の中でさらに長く残ります。