粉になる順番

粉になる順番

そばの実を輪切りにすると、外側を殻と甘皮が包み、その内側に胚乳があります。
胚芽は、その胚乳のなかへ入り込むように、複雑な形で存在しています。
断面で見るとS字型、縦に見ると渦を巻いたような形で、実の内部を細長くうねりながら占めているのです。

米では、胚芽は実の一端に偏って位置しています。
精米では、表面の糠層を削り取っていく過程で、胚芽の多くも一緒に取り除かれ、主に胚乳だけが残ります。

そば粉を作るときは、実を挽き砕き、組織による砕けやすさの違いを利用して粉を取り分けます。
胚乳の中心部のでんぷん質はやわらかく砕けやすいのに対し、胚芽や甘皮はより硬く、砕けにくい性質を持っています。
そのため挽くと、やわらかい胚乳から先に粉になります。

最初に砕ける胚乳のでんぷん質から、白く香りの穏やかな一番粉が取れます。
このような実の中心部を主体とする粉は更科粉とも呼ばれますが、一番粉と更科粉の呼び分けには、製粉業者やそば店によって違いがあります。
挽き進めるうちに、硬い胚芽や甘皮が少しずつ砕けて混ざり、二番粉、三番粉と色が濃くなっていきます。

一番粉、二番粉、三番粉という呼び名は、そばの実を挽き、粉を段階的に取り分けていくことで生まれます。
一方、挽きぐるみは、これらを段階的に取り分けず、実の各部分を一緒に挽き込んだものです。
挽きぐるみと呼ばれる粉にも、甘皮まで挽き込んだものから、黒い殻まで挽き込んだものまであり、製粉業者などによって違いがあります。

そば粉の名前をたどると、そばの実の複雑な断面が、そのまま製粉の仕方に表れていることがわかります。

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